
ふたりのち晴れ
第23章 巧―え
玄関においてあるサブバックを見て
巧『…おい、これ楠木のだろ』
直『理央が遊びにきてちゃ、だめなのかよ』
巧『おふくろがうるさいからな』
直『おふくろさんには適当に言っといてくれ、じゃあな』
そういって 俺を押す。
怪しすぎる。
俺は土足のまま部屋に入る。
すると…
そこには手首を締め付けられながら寝ている楠木の姿があった。
巧『お前にとっては、これが遊んでんのか。佐々木…』
直『ちっ…ちげぇよ!あ…あいつが誘ったんだ!』
必死に言い訳をする佐々木を
俺は 一発殴る。
佐々木の歯が折れても関係ない。
手を血で、にじむほど握りしめた俺は
そのまま逃げようとする佐々木を捕まえ、
ベッドに縛り付けておいた。
巧『お返しだ』
直『おぼえとけよ!ゴルァ!』
歯が折れて滑舌が悪くなっている佐々木をあとにして
楠木を背負って出て行く。
