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会議室から恋。

第21章 9

「大丈夫?どうしたん?」

「おい!救急車来たぞ!しっかりせーよ!」

遠くから黒田様の声が聞こえる。

「すんません!こいつ一番に運んでください!」

救急隊員の人を引っ張り、坂下さんのそばへ寄る。

あきらかに坂下さんが一番軽症なのに…。

「黒田さん。オレ一番最後で大丈夫です」

「アホゆうな!お前が一番大事なんや!杉山!お前も乗れ!」

言われるがまま、坂下さんの乗る救急車に一緒に乗る。

たしかに、見た目ではなんともないけど、ピクリとも動かない坂下さん。

顔の上に置いている方と違う方の手をにぎる。

「ごめん。有紗…」

そこから、坂下さんは意識を失った。

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