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会議室から恋。

第9章 9 坂下健人

オレの顔を見てびっくりする杉山さん。

でも、オレだって、分かってない?

後ろから黒田さんに呼ばれる。

相変わらず大きい声。

その黒田さんの言葉に、オレが坂下だってことに気がついたみたい。

「坂下さん?!」

「はい」

この顔が見たくて、何も言わずに帰ってきたんだ。

オレが手を差し出すと、不思議そうにその手を見る。

ここはアメリカではないんだと言うように、ごまかした。

アメリカだって、そんなことはしない。

少しでも杉山さんに触れたいと思って、手を差し出した。

断られるのは分かってたんだけど。

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