チョコレート
第8章 転校生
抱きついて
陸の胸板に顔をうずめた
「彩?」
「ん?」
「襲われたいの?」
「…ううん」
「一瞬迷ったな」
「…バレた?」
顔を上げると
おでこにキスされ
目、頬
少しずつ降りてくる
「ぁっ…」
首まできて
肌に吸い付いた
チクッとする
「んッ…」
「男除け」
近くの鏡で首を確認すると
おっきく紫っぽいアザになった
「わっ!バレバレ」
「じゃなきゃ意味ねぇだろ」
絆創膏とか貼ったら
逆に怪しいよね…
「さ、そろそろ帰るかな」
「え、もう?」
「何、もっといて欲しかった?」
「…いて欲しい」
「…あんま可愛いこと言うな」
そう言って私の髪を
クシャクシャッとした
「だって…」
「次来るときは挨拶しねぇとな。」
「挨拶?」
「彩さんとお付き合いさせていただいています。みたいな?」
「ははっ、キャラじゃない」
「うるさい。」