チョコレート
第15章 本当は
昨日涼くんから
急に明日引っ越すことになった
と連絡があった
今私たち5人は
涼くんの家の前にいる
涼くんを見送るために。
優衣と祐樹くんは
少し気まずそうな気がする
「はい」
私は涼くんに
トートバックに入れたお弁当を渡した
「これなに?」
「お弁当。料理作ってあげられなかったから」
「マジで!?めっちゃ嬉しい」
「俺彩に弁当作ってもらったことないんだけど」
そう言い陸が少し拗ねる
「陸はまた今度ね」
プップー
黒い車が
私たちの前に止まり
助手席の窓が開いた
「涼、そろそろ行くわよ」
涼くんの
お母さんらしき人が言った
「おぉ」
もう行っちゃうんだ…
「たまにはメールして」
と祐樹くんが言った
「言われんくてもいっぱいしたるやん」
「いっぱいはいい」
「なんやそれ(笑)」
「まぁ、元気にな」
「おう」