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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

 藍那はそっと王の顔に顔を近づけた。まだ温かいけれど、既に息絶えた彼の唇にそっと自らの唇を重ねる。それは王妃真戸那ではなく、藍那としての恋人への最後のキスだった。
 熱い滴がとめどなく溢れ、頬をつたうに任せる。藍那の泣き声が聞こえたのだろう、侍医が色を失って寝所に飛び込んできたが、既に呼吸の止まった王を見ると言葉を失い、その場に平伏した。

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