最後のキス~琉球の海を渡る風~
第1章 Mysterious morment~不思議な力に誘われて~
「大丈夫か?」
聞き憶えのない声に、藍那は恐る恐る眼を開く。眼前にいるのは―いや、正しく言えば横たわっているのは、若い男だった。年の頃は藍那とあまり変わらないだろう。十八、九くらい? まあ、二十歳前後だ。
「あ、私?」
藍那は慌てて周囲を見回した。何だろう、見覚えのないこの感じは。今、自分がいる部屋もその内装も何だか随分と時代がかっている。しかも、布団に横たわっているこの男の格好はどう見ても、現代のものじゃない。
聞き憶えのない声に、藍那は恐る恐る眼を開く。眼前にいるのは―いや、正しく言えば横たわっているのは、若い男だった。年の頃は藍那とあまり変わらないだろう。十八、九くらい? まあ、二十歳前後だ。
「あ、私?」
藍那は慌てて周囲を見回した。何だろう、見覚えのないこの感じは。今、自分がいる部屋もその内装も何だか随分と時代がかっている。しかも、布団に横たわっているこの男の格好はどう見ても、現代のものじゃない。