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Promis* - 約束 -

第3章 屋上にて

「おい、佐倉?起きろよ。」

新堀君に、起こされる。
私は、あのまま寝ちゃったらしい。
彼は、ずっと起きてたのかな。

『新堀君.....
ごめんなさい、寝ちゃった。』

いつのまにか、お昼の時間。
授業、2つもサボっちゃった。

「いや、大丈夫だけど。気分は?」

気分は、だいぶ良くなった。
気持ち悪さも収まってる。

『新堀君、心配かけてごめんね』

あの時、新堀君がいてくれてよかった。
新堀君が声をかけてくれなかったら、
私は持ち直せなかった。

彼はちょっとだけ困ったような顔をした。
そして、照れたように言った。

「それは....いいんだけど、
そのー.....その呼び方、やめねぇ?
なんか、恥ずい。」

そういえば、
彼のことを君付けで呼ぶ人はいない。
そんなもんなのか、と勝手に思った。

『じゃあ....ハ、ル?』

なんだか、こっちまで照れる。
たぶん、真っ赤。
彼の顔も、真っ赤。
ちょびっと、驚いてる?
面白かったから、いじめてみる。

『じゃあさ..... 私のことも名前で呼んでよ』

彼の顔が、さらに赤くなった。
内心、にやりとする。

「えっ.....と、初音?」

怒ったような顔。
彼のこういう顔は、初めて見た。

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