この前、人を拾いました
第105章 ⑩—5 彼の言葉の真相は
「子どもはいらない──…」
「────────」
「そんなような事を礼二が言いましたかな?」
「……………っ」
見破られた事に動揺して声を出せない私の隣で、若村さんが、ええ?と声を発していた。
「西園寺代表、それはないんじゃないですか?
だって、礼二先輩は子ども好きですし」
「わっ……私だってっ……」
「……みきさん?」
突然声を上げた私に若村さんが心配そうな表情を向ける。
「私だって…そう思ってましたっ…」
「え……?」
「でも、レイは…いらないらしいです。心変わりしたみたいです。
もう私と二人の生活で満足だからって……」
「………それ、本当ですか……?」