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この前、人を拾いました

第29章 ③―6 崇めろ!!

「うぎゃぁあ」


車が動き出す反動で身体が後ろに倒れると、レイがすかさず私をキャッチした。



「なんで逃げるんだ!!!
僕はりかちゃんを救った救世主だぞ!!!

逃げる暇があったら崇めるがいい!!

ハハハハハハ」




あ、崇めるって……





「そ、それには感謝してるけど…」




「けどぉぉ?」



グッと顔を近付けるレイにまた心臓が少し早く波打つ。




「ま、ま、まさか、レイがさっ西園寺財閥の御曹司だなんて……」




「あのどうしようもないスケベ兄貴がぁぁ!!!!!」




私の言葉を完全無視して叫び出す彼は、ただの変人にしか見えなかった。

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