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この前、人を拾いました

第42章 ④―8.5 『ずっと前から、お嬢様にお仕えしております』

そんなある日のこと、


「明日、礼二様が引き連れていた女のところへ行くわ。」

と麗子様が突然言い出した。



麗子様は


九条院家のお嬢様。


西園寺家の次男とのご結婚も、
遠の昔から決まっていること。



だが、麗子様はそのことをあまり口に出さなかった。



そのせいか、
あまり、麗子様の結婚というものを意識せずに私は過ごしてきた。



「っ………、かしこまりました。」




ついに、この時が来た。



麗子様は結婚するおつもりだ…。


胸が張り裂けそうで
麗子様に気付かれまいと、冷静でいるので必死だった。


どうすることもできない。


自分は、



そのお嬢様を守るための、

ただの執事。






そんなこと、


私が一番よく分かっていた。

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