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この前、人を拾いました

第49章 ⑤―3 草野祥平 そして 観覧車

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二個年上のお兄ちゃんは、いつも私を侍らせて、

あれやれ
これやれ

と命令してくる。


身体も昔から大きくて力も強い。


成績は悪くないというレベル、
学校をサボったり、タバコを吸ったりとはいう不良とはまた違うのだが、よくケンカをしているようだった。


特に私が中学校に入ってからはひどくて、
夜遅くに帰ってきては、私を叩き起こして、ケガの手当てをさせたりする。



嫌だったけど、
嫌いだったわけじゃない。
ごくたまぁにだが、優しい時もあって、
私はそんなお兄ちゃんを見るために嫌々ながらも従っていたのかもしれない。



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