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この前、人を拾いました

第71章 ⑦―2 全てあなたのせいなんです

すると、突然ガシッと腕を掴まれた。



「なに?ってうわぁっ」



目を瞑ったままレイにそのまま引っ張られ、何も言わずにギュッと抱き締められる。



「レイ……?」



起きているのかと思いチラと見上げるが、レイはスー…スー…と気持ち良さそうに眠っていた。



寝るときまで笑ってるよ…



整った顔立ちに
まだ濡れている髪の毛がいつもよりクルクルとウェーブしていた。



こんな幸せそうな顔見たらどうでもよくなっちゃうじゃん…。



惚れた弱み
と言うやつだろうか。



気にならなかったテレビの音が、静かになった部屋に大きく響く。



消すか…



私はそっとレイの腕をほどいて、リモコンに手を伸ばした。

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