テキストサイズ

この前、人を拾いました

第73章 ⑦―4 彼はやっぱり彼な訳で

『ちょ…レイ、なにして…』


切符売り場はこっちだよ、と言おうと思ったその瞬間、レイは突然目に見えないほどのスピードで走り出したかと思うと、



まるで改札をハードルのように、キレイなフォームで飛び越えた。



『………………。』




私だけじゃない、

その場にいてレイの奇行を目にしたみんなが立ち止まり目を丸くして、口をあんぐりと開けた。




『ハハハハハハハハハハ!容易い!ひなちゃんも飛び越えろ!!』



レイはそんな周りの視線にお構い無く、まるで自己新記録を出した陸上選手の如く達成感に満ちた顔を私に向けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ