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この前、人を拾いました

第78章 ⑦ー9 天まで届け!

はぁあ…


結局、遊園地でレイの弱点を暴こうとしたのにダメだったし…。


国家機密が胸に埋もれるっていう希少な体験をしただけだった。


別れようとしたのに、やっぱりレイが好きでそんなことも出来なかったし…。



「───平凡な日々というのは永遠に消え去ったのね…」



素晴らしく複雑だ。
この奇怪な彼を拾ったのは私で、そんな彼に惹かれてしまったのも私…。


そう結局のところ、悪いのは私なんだから腹をくくるしか道はない、というわけだ。


何の気なしに止めた教育テレビの中で、
テントウムシの生態を特集していた。


「やえちゃんっっっつ!!!!!!!!」


「なっ、何っ⁉︎ 」



突然レイがファンレターを投げ出して、叫びながらソファーに座る私にタックルするように抱きついてきた。

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