テキストサイズ

この前、人を拾いました

第92章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて

「……まぁ…ほんと…なんて言うか…お人形みたいな顔立ちの方ねぇ…」


「もうっ…お母さんいいからっ…」


懐かしい畳が香る居間。

お母さんがレイのことを凝視しながらつぶやく。
さっきから、気まずい雰囲気が流れているのなんて、お構い無しだ。


「…この顔に騙されちゃいけねーよ」


「祥平!そういうこと今言わないの!」


小声で会話する兄夫婦。


あぐらをかき、腕を組んだまま話さないお父さん。


そして何より、同じようにジッと黙って座っているレイが気持ち悪くて仕方がない。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ