この前、人を拾いました
第92章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて
どうやら、あまりにもお父さんが黙っているから、レイはお父さんに息止め勝負を持ちかけられたと思ったらしい。
いやいや…
そんなわけ…
「そんなわけがあるかぁあああああ!!!!!!!」
バンっっっっっっっっっ!という机を叩く激しい音と共に、お父さんが声を荒げる。
それと同時に、レイの腕にいた美咲ちゃんが、ふぇっ…と小さく泣き声を出した。
「……っ、お父さん」
私の制止虚しくお父さんは、勢いよくレイに向かって行く。
危険を察知したのか、はなさんは、レイの腕の中で泣きそうになっている美咲ちゃんと受け取った。