この前、人を拾いました
第92章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて
「まずは、人の家に来たら、挨拶、そして名前を名乗れ!!!愚か者!!!!!!」
お父さんの大きな怒鳴り声に反応して、美咲ちゃんがふぎゃあああ!と泣き出した。
こんなにも結婚の挨拶が上手くいかないこと、あるだろうか。
というか、まだ結婚の「け」の字すら、発せてない状態なんですけど…
「ごめん…。あの、レイは…」
悪気は無くて?
そんな言葉で済ましていい状況だろうか…。でもフォローしなきゃっ…
そんなことを思っていたら、レイがムクっと立ち上がったので、私は再び溜め息をついた。
絶対嫌なことが起こる。
神様、私、それくらいもう察しがついてるんだからね…?
「この僕が愚かな訳がないだろうが!!!!!!!!!
それに挨拶もしないまま息止め選手権を始めたのは、あなただ!!!!!!!!
なのに叩くなんてっ……!!!ド田舎内暴力だっ!!!!!」