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この前、人を拾いました

第92章 ⑨ー2 もちろん、そんなスムーズにいく訳はなくて



「……突然なんだ、みき…」


「いやっ……ちょっと…アハハ」

作り笑いをしながら、私は隣のレイのみぞおちを、みんなに見えないマッハのスピードで殴った。




「いだっ…」


それだけで済んで良かったと思えよ。


勝手になんかいいこと言いそうな雰囲気作ったレイに期待した私が悪かった。


真面目なトーンで、そんなにもか?ってほど私の名前を間違えるし…

意味分からないことつらつら述べた挙げ句、親に向かってとんでもない単語を言おうとしたし…





「西園寺さん、大丈夫?」

「いーのいーの、レイはたまに、お腹痛くなっちゃう体質だから、気にしないで、お母さん」


「あら…そう…」


もがき苦しむレイを横目に、もっと強く殴るべきだったかと後悔した。


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