この前、人を拾いました
第97章 ⑨—7 誰のお蔭で
「レイくん!!!」
「礼二先輩っ!!」
突然姿を見せたレイに、はなさんと若村さんが声を揃える。
お父さんはというと…
びっくりさせた顔を見せたあと、また不機嫌そうに眉間に皺を寄せた。
西園寺代表は、レイのことを見ることもせず、フッと口角を上げて楽しそうに笑う。
「なっ…なんだ、お前…どこいってたんだ……」
お兄ちゃんの問い掛けを聞くと、レイは、私の手首を握っていた手を離し、ズボンのポケットに手を突っ込んだ。
レイの背後にいるせいで、
レイが今どんな顔をしているのか分からない。
一向に話す気配がないから、また私は不安を募らせいると…
「……これですね」
コンっ…と小さく音を立てて机の上にレイがあるものを置く。