この前、人を拾いました
第102章 ⑩—2 雑誌と検査薬と、それからわたし
──────────二人だなっ!!!
オーストラリアで、プロポーズされたとき、レイがそう言っていたのを思い出した。
こんなにすぐっていう予定ではなかったけど、
でもいつか、子どもを持つことは当たり前のことだと思っていた。
なのに、妊娠してないって分かって、良かったって……
いやいや、レイの言うことを気にして、いつも後で肩すかしをくらうんだ……。
そう言い聞かす。
そして、私は痛む胸に気付かないふりをしながら、先ほど買った育児本をそっとゴミ箱に捨てた。