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Pour mon cher -笑顔の先に-

第2章 リスタート

改札を出ると―――。




「あ‥っ」




柱に寄り縋るようにして小さく手を挙げ優しく微笑む猛司にドキッと心が跳ねる。




「ごめんね!待たせちゃった」


「はい。ペナルティー」


「へ?!」


「“ごめん”は言わない約束だろ?」


「痛っ!!」



おでこをピンッ!と指で弾かれて。

思わず痛みでおでこを摩る。



「いったい、いつになったら約束守れんの?」


「だって‥」



約束。


それは“ごめん”と言わない約束。



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