占いの館【YES∞NO】
第8章 辛口チョコレート
―――――――――――…
俺は…服を整え…
黒いカーテンから出た…
『お疲れ様…お仕置きは成功しましたか?』
「ああ…最高のお仕置きだった…」
俺は…ここに来た時とはまったく違う自分に…
驚きつつ…清々しい気分だった…
河野のチョコレート批評は…ただの嫌がらせだったし…
あの乱れっぷりだ…
女に振られても…可愛がってくれる男がどこかにはいるだろう…
『…悩み事が解決されて、よかったです。
さて…葵さんには…ラッキーアイテムをお渡ししましょう…』
イブは…テーブルから一本の万年筆を取りだし…
俺に手渡した…
「万年筆…ですか?」
『ええ…これからも貴方は有名になるでしょう…
その度に、あんなつまらない記事に左右されるなんてバカ臭い…
…自分の追求するショコラを作り続けてほしいのです…
ですから…万年筆を見て…今日の事を思い出してください…ど〜ってことないと笑えますから…』
万年筆には…“S・K”とイニシャルが…
俺は万年筆をクン…と嗅いでみた…
河野の体から…香るショコラの匂いがした……
====END====