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生きたいです

第2章  学校


 そのまま、強く抱きしめられる。

 「何やってんだよ! 優香ぁー」

 暖かな声を聞いて私は正気に戻った。


 私を助けてくれたのは寛也だった。


 私と同じで傘をささずにずぶ濡れになって。

 きっと後を追ってきてくれたんだろう。

 「優香ぁ……消えるなんて考えないでくれ。今は一人じゃない。
  俺らがいるから。
  ずっとそばにいるから。
  失敗したって笑って流してやる。
  泣きたいなら一緒に泣いてやるから。

  俺らのそばから離れないでくれ」

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