
狼くんと羊ちゃん~空回り~
第4章 それぞれの時間
ーウィィィィイン・・・・
バイブの
振動音が資料室に響く
下校時刻を
とっくに過ぎた学校は、生徒こそいないものの
いつ、先生が来るのかという不安で
俺はいっぱいだった。
「んもっ、・・・や、めろ!!」
「うるせぇな、口答えしてんじゃねぇよ!!!」
ーウ‘'ィィイイィィィィイイ
「なぁっ!!・・・んんーっ・・やぁっ、あっー」
カチカチとスイッチを
あげて、振動を上にしたとたん
翔は、翔じゃなくなった
ドピュッーー
一段と高い声を出して
イッたかと思うと、翔がクタッと脱力する
「やばかったなー!!!俺のギンギンなってんだけど」
「裕希さんに感謝だな、憲人と引き剥がせるなら、俺らに何でもさせてくれるしな」
「それだけ、憲人が好きなんじゃねぇの?中二の時も俺らにヤらせて、憲人と翔を離すつもりだったってことだろ?」
「「あー!!」」
俺等は、あることに気づいた
「お互いの名前、聞いてなくねぇか?中二ん時から名前知らなくね」
「だよなー!!!俺、新田颯(にったそう)」
「俺は、広瀬咲斗(ひろせさきと)」
なぁー、お前は?
そんな、仲間の声を後ろに聞きながら
俺は、脱力した翔を見つめていた。
仲間の名前がどうとか、俺はどうでもよかった、そのつもりで
裕希さんについてたんだし?
とか、言うよりも
翔から目が離せなかった
苦しそうにしているちょっと頬を赤らめたその顔に
・・・・・惚れてしまった。
「おーい、お前名前なにってんだろ!!!」
だー!!
うっせぇなー
「俺は、山下だそれだけいっとく、お前らと仲良くする気なんてさらさらねぇぞ?」
俺は意識のない
翔を担いでその場を離れた
ドキドキなる胸をなだめながらー
