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運命の誘惑

第10章 曇り空  汐生side

“寂しい‥‥”



そう言って屋上で1人泣いてた彼女。


普段。

そんな素振りは一切見せないのに。

虚勢張って。

みんなの前ではどんな時も笑ってる癖に。



転校してきた初日。

元が教えてくれた。




「愛結は恭が死んでから今日まで
心の底から泣いてないんだよね。」




その理由の裏には、


彼氏が死んだと同時に広まったある事ない事の噂話に苦しめられた挙句

浴びせられる暴言

彼女のせいじゃないのに彼女のせいだと罵り暴力を振られ

泣けば暴力

笑えば暴言。

無でいても暴力、暴言。



そんな日々の生活の中

彼女は自分の彼氏の死を哀しむ事も出来なかったんだ。



と、元から聞いた。



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