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運命の誘惑

第13章 秘密 *汐生side*

「関係ないって‥‥・。」


「うん。俺には関係ない。」



当惑して呆然とする寺島に俺は言葉を畳み掛ける。




「‥‥・でもっ‥!」





「恭は居ないけど‥っ!!

それでも私は恭の事がずっと‥「“今は”、ね?」



「え‥・?」



俺は彼女の顔を覗き込むように少し屈んで視線を合わせる。


彼女の大きくて綺麗な目は完全に動揺からだろう。

瞳がゆらゆらと落ち着きなく揺れ動く。


そんな彼女の揺れる瞳を目を細めて見つめる。




「彼氏の事を好きなのも知ってるよ?


それも“今は”って事も俺は知ってるよ?」




何言ってんの?風に怪訝な表情の彼女に俺はニコリと笑って




「寺島の心のコアな部分に最終的に残るのは、俺だから」




俺は寺島の左胸付近を指差して、そう告げた。



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