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その瞬間



サムライの香りと岡田の温もりが全身を包み込むように感じれて、ﾄﾞｷﾄﾞｷ鼓動が速まる。





「‥‥‥・‥いいの？」



「え‥？」



「俺、恭の弟だけど‥いいの？」




岡田は私の髪に顔を埋め、ギュッと力を入れて私を抱き締める。



‥・この時、何となくだけど、

もしかしたらだけど、



岡田は不安だったのかな‥って思った私はﾄﾞｷﾄﾞｷ震える手で岡田の背中に腕を回してギュッ返し。




「恭の弟の“岡田”が、いい」




岡田の胸の中で少し籠もった声でそう応えると、

岡田は私の身体の骨という骨が粉砕しちゃうんじゃないか、てくらいの力で抱き締めて




「ありがとう‥・・！！」




そう言って





「寺島、大好き」





私の耳元で囁いた。