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運命の誘惑

第37章 大切な彼

途端‥



心が震えて、幾粒もの涙が拭っても拭ってもキリが無いくらい流れ出て

恭の優しさが

恭のあの大好きだった笑顔が


私の胸を締め付け苦しくなって泣き崩れるように座り込む。





「寺島!!」





直様、岡田が心配そうな表情を浮かべながら走り寄って私の身体を支えてくれた。


さっきまで感じてた恭の温もりとは違う岡田の温もりに今度は包まれる。


それが更に心を震わせて涙を押し出す。




「岡田‥恭…笑ってた‥・・」



「‥え?」



「恭が笑ってたんだぁ‥‥」




恭にちゃんと報告したかった。


“恭の弟を好きになったんだ”


って。


恭と同じくらい好きな人が出来たんだ‥って。





だけど…恭は全部ちゃんと知ってたんだね‥。






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