従わない奴隷
第11章 俺とバイトとユウリ
なんだか
急に
ユウリに
もう
会えないような気がして
もう
電話に出てくれないような
気がして
怖くなった
いや、違う
寂しくなった
このまま
ユウリを
車から
降ろしちゃいけない
そんな
気がして
今にも
助手席から
腰を上げて
降りようとする
ユウリの腕を
俺は
とっさに
つかんでいた
「きゃ・・」
驚いたのか
ユウリは
小さな声を上げて
少し上げていた腰を
落とした
いや
俺が
腕を掴んだだけじゃなくて
ユウリを
外に
出したくなくて
ユウリを
引っ張ったんだ
「あ、ごめん・・・
痛く・・ねぇか?」
掴んでいる手は
はなせなくて
ユウリに
痛くないか
聞いてるのに
はなさないままで
ユウリを
見つめた
レイコに言われた
寂しいって
言えって
ふと
そんなことを
思いだした
「だ、だいじょうぶ・・」
「ユウリ」
「はい」
「また・・・
お前の部屋
行っても
いいよな?」