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従わない奴隷

第12章 ユウリと今野

「緊張してんのか?」




「・・・はい」




「仕方ねぇよ

気に入ってるヤツと
会うんだから」




そんな
今野ってやつが

いいのかよ・・・




「気に入ってなんか・・」




「え?」




「なんでもないです」




「気に入ってねぇのか?」




「わ、わたし

もう行かなきゃ」




「おい、ユウリ・・」




急にユウリは
振り向いて



俺を


置いたまま



駅に向かって
歩きだしてしまった




俺に背を向けた時は
さっさと
歩いてたのに

その
足取りは
だんだんゆっくりになって

うつむくなって
言ったのに
うつむいて




とうとう

ユウリは

立ち止まってしまった




そして

ゆっくりと

振り向いて




俺の方に

歩き出した




・・ユウリ・・




思わず俺が
ガードレールから
腰を上げると


ユウリは
また
駅に振りかえり




そこで




立ち止まった



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