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従わない奴隷

第14章 ユウリの恋人役

俺は
お前を尊敬するよ


恋人役を
お願いしたり

また
俺に会いたくて
日曜日の
スケジュールを
聞いてくる



男に慣れてない
そんなユウリが
どんだけ勇気を出して
それを言葉に出してるか

想像もつかねぇが




偉いな


お前



俺なんかより



ずっとずっと
すげぇよ。





ユウリの手は

めちゃくちゃ
硬く握られていて


なんかもう
緊張してんだかなんだか

俺の目なんか
見てなくて




ごめん

意地悪したな、俺



分かってるよ
ユウリ



日曜日に
会いたいんだろ?

デート
してみたいんだよな?




俺も



したかったよ

デート。





「日曜日は
もう予定入ってんだ」




「・・え・・」




「恋人とデートなんだ」




「・・・」




「ユウリとデートだ」




そう言って
ぎゅっと
握られている手の上に

俺の手を重ねた



手を
握って欲しいんだろ?




「文句あるか?」



ユウリは
思い切り
首を横にふった

そして


コブシの力をゆるめた




「じゃあ決定な。」



「・・はい」



チカラが
ゆるまった
ユウリの手を握って

その手を
クッションから
奪い取った




でも

その手は



ただ
手をつないだだけで


その手は
繋がっただけで



宙に浮いたままだった



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