従わない奴隷
第15章 俺と仕事
「その方が・・いいです」
「え?」
ユウリは
ポツリとつぶやいた
「部屋にいる時の
ライキさんだから
その方が・・」
「サングラスのことか?」
ユウリは
コクッと頷いた
「どこ見てるか
わからないから・・・
緊張します」
そうか
俺は
見られてないから
恥ずかしくねぇけど
ユウリは
どこを見られてるか
わかんねーから
恥ずかしいのか
「わかったよ
んじゃ、今日はもう
これは無しな?」
「はい」
ほっとしたような
柔らかい笑顔が
たまんなかった
たまんねぇから
我慢できなくて
信号が変わると
つないだ手を
ユウリの
肩に回した
ちっちゃい声で
「あ・・」
って聞こえたけど
俺は
なんだか
色んな事を忘れて
ほんとうに
ユウリが
自分のものに
なったような
錯覚に陥って
すげー気分よく
歩いた
このまま
何事もなく
普通の恋人みたいに
これからの
数時間を過ごして
それからの夜を
過ごせるような
そんな
錯覚に
陥っていた