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月琴~つきのこと~

第4章 第二話 【月琴~つきのこと~】 二

 そのひとにひとめで魅かれ、その日から、胸に芽生えた淡い想いをそっと抱いて生きてきた。やがて、ひそやかな想いは激しく燃え盛る恋の焔となり、姉は他の男と姿を消し、嘉平太は独りになった。それでも嘉平太は自分を棄てた女である姉を待つと言い、三年もの間待ち続けた。

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