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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第5章 第二話 【めざめ】 旅立ち

 幸はハッと我に返った。亮平が再び顔を近付け、唇を塞ぐ。亮平の身体から、かすかに潮の香りが漂ってくるような気がする。しんと冷たい唇の感触を受け止めている中(うち)に、大きな手のひらが幸の首筋を撫で、鎖骨に降りてきて、胸許を開いた。帯がするするとほどけてゆく。

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