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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第6章 第二話 【めざめ】 再会

 幸は感謝の気持ちでいっぱいだった。冷たい風に心まで凍えそうだと思っていたのに、ポッと温かな灯火がともったように思えた。
「失礼なことをお訊きするようだけど、今、あそこの紡績工場に勤めていらっしゃるのよね」
 多分、今日、弥生は工場から出てくる幸を見たのだろう。幸が頷くと、弥生は真っすぐに幸の眼を見つめた。

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