テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第2章 第一話【空の記憶】~運命の嵐~

 幸が驚愕と緊張を全身に漲らせていると、進一郎の声が頭上から降ってきた。
―君を行かせたくない、幸さん。
 恐る恐る顔を上げると、間近に進一郎の顔があった。彼の顔が近づいて、今にも唇が重なろうとしたその時、幸は咄嗟に顔を背けていた。
―幸さん?
 進一郎に名を呼ばれ、幸は我に返った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ