テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第7章 第二話 【めざめ】 別離  

 殺風景だった浩三の部屋も今はきれいに片付けられ、至る場所に見られた本の山もない。机の上にはガラスの花瓶に挿した桜の枝が一輪活けてある。その隣には更に小さなガラスのコップにクローバーの花が挿してあった。
 一年前までは、この部屋に花が飾られていること自体、想像もできなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ