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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第8章 第三話【波の音】 予感

 それでもなお、浩三はすべてを承知で幸を生涯の伴侶として選んだのだが、浩三がいくら幸の行方を追ったとしても、この海辺の家に辿り着くことは難しいと思われた。
 幸がそんな物想いに囚われていると、ふいに亮平の口調が変わった。
「それとも、男を思い出しているのか」

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