テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第9章 第三話【波の音】 絶望の果て

―幾度も男に抱かれただけあって、流石に見かけどおりの純情さは失ってたんだな。以前と同じ女だとは到底思えないほどの変わり様だ。これだけ乱れれば、亭主もさぞ歓ばせ甲斐があるだろう。幸、お前の身体は淫乱な身体だ。
 乱れる幸の耳許で嘲るような亮平の言葉が聞こえたのも、うっすらと記憶に残っている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ