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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第10章 第三話【波の音】 衝撃の真実

 その夜。傍らの布団に入った幸をそっと抱き寄せた亮平の胸を、幸は軽く押した。
「駄目よ、お医者さまもいけないっておっしやってたでしょ」
 だが、亮平は真面目な顔で首を振った。
「良い。幸を抱くときが、俺は生きてるんだなって、いちばん実感できるんだ。俺にとっては何よりの薬だよ」
「馬鹿なことを言わないで」
 幸が軽く亮平を睨むと、亮平は笑った。

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