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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

 元々、浩三は子どものことも家庭のことも幸に任せきりであった。自分は家にいても大抵書斎に籠もって翻訳の仕事をしたり原書を読んだりしていた。幸がいない今、子どもたちにとっては浩三だけが頼りである。だが、昔のように浩三が子どもたちについてはあまり口を出さないとすれば、あの若いベビーシッター任せにしているとも考えられた。

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