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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第3章 第一話【空の記憶】~邂逅~

 亮平は一体、何があるのか見極めようと急ぎ足になった。大方は昨日の嵐で流れ着いた漂流物であろうと見当はついた。が、間近まで歩いてきて、亮平は息を呑んだ。この浜の砂は白く粒子が細かい。掌(たなごころ)に掬えば、たちまちにして、さらさらと指先の間から零れ落ちてしまうほどだ。その細やかな白砂を褥(しとね)に、一人の少女が砂に埋もれるようにして横たわっていた。

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