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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第11章 第四話【縁~えにし~】 早春賦

「それで、今、佐伯さんは」
 幸の問いに、浩三は首を振った。
「彼女には申し訳ないが、昨日限りで解雇した。元々弥生の亭主の遠縁だというし、女学校も出ているというので雇ったんだが、まさかこんなことになるとは。本当に済まない」
 浩三は幸に頭を垂れた。
「何と詫びて良いのか、判らないよ。もう少し僕が家のことに気を配っていれば良かったんだ」

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