空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第14章 番外編第一話「潮騒の詩」~海辺の恋~
行き場を失った継父の暴力は、亮平に向かった。生意気だ、ろくな働きができないと言っては、亮平は継父に打たれ、蹴られた。それでも亮平は我慢していたが、やがて、どうにも我慢できず家を飛び出した。
残してゆく妹のことは気がかりではあったが、継父も自分の血を分けた娘にまでは手を上げたりしない。何と父娘(おやこ)二人で暮らしてゆけるだろうと思うしかなかった。後に心を残しながらも、亮平はやむなく家を出た。母が亡くなって五年後のことだった。
残してゆく妹のことは気がかりではあったが、継父も自分の血を分けた娘にまでは手を上げたりしない。何と父娘(おやこ)二人で暮らしてゆけるだろうと思うしかなかった。後に心を残しながらも、亮平はやむなく家を出た。母が亡くなって五年後のことだった。