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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第15章 番外編第一話【潮騒の詩】 月夜の契り

「俺も初めて出逢ったその瞬間(とき)から、澪に惚れた」
 濡れた瞳が真っすぐに亮平を見つめている。亮平は澪の唇を塞いだ。思ったとおり、澪の物言いがさも物慣れている風なのは、ほんの見かけだけであった。亮平の口づけを受け止める澪の身体は小刻みに震えている。だが、すぐにその緊張も解け、澪の身体は熟れた果実をつけた枝のようにやわらかくしなり、亮平の逞しい身体に寄り添う形になった。

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