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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第15章 番外編第一話【潮騒の詩】 月夜の契り

 狭い部屋の中は、黄昏の気配がひそやかに忍び込み始めている。その中で、亮平は澪を抱いた。やわらかくしなる身体を荒々しく組み敷き、幾度も抱いた。何度も激しく互いを求め合い、漸く終焉を迎えた後、亮平は澪を腕に抱え込んで横たわっていた。
 二人とも裸であったが、板の間のひんやりとした感触がかえって熱に浮かされた肌には気持ち良い。汗ばんでいた身体も今はすっかり涼しい夜風のせいで乾いていた。

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