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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第15章 番外編第一話【潮騒の詩】 月夜の契り

「私、今、とっても幸せなの」
 亮平は淡く笑った。
「俺もだよ。誰かをこんな風に欲しいと思ったこともない。いくら奪っても奪い足りないと思うほどだった」
 囁きながら、澪の乱れた髪をそっと指で梳く。澪の髪を飾っていた白い花は床に落ちて、萎れていた。
「折角つけていた花が取れてしまったな。帰りに新しいのを持ってお帰り」

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