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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第16章 番外編第一話「潮騒の詩」~海神の誓い~ 

 熊五郎の言葉は当然のことであった。村長としても網元としても、熊五郎には意地がある。亮平はもう一度、畳につくほど頭を深く垂れた。
「ありがどうございます。澪さんのことを大切にします」
「二人とも、わしの気が変わらん中にさっさと出てゆけ。澪、お前とこの家とはもう何の拘わりもない。今夜、今すぐにでもこの男と出てゆけ」

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