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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第16章 番外編第一話「潮騒の詩」~海神の誓い~ 

「あるわけないじゃない。三ヶ月前、ここで初めてあなたに逢ったときから、私の気持ちは決まっていたんだもの」
 そう言って、澪は繋いだ手をそっと外し、片方の手に持っていた升を傾ける。寄せてきた波に米粒がさらわれて流れていった。それを見届けた亮平が次に徳利を傾けて酒を海に注ぐ。

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